平成20年度 一条高校「課題研究」支援事業

この課題研究は、奈良市立一条高等学校数理科学科の二年生が、本プロジェクト教員の指導の下、各テーマごとに分かれて平成20年5月より進められてきたものです。

高校生は実験やシミュレーション、解析やフィールド調査など大学で展開されている研究を体験し、各班がそれぞれ取り組んだ活動をパワーポイントにまとめました

1月23日(金)に「平成20年度課題研究発表会」を実施しました。発表会はテレビ会議室システムを利用して本学の地学実験室と一条高校を二元中継して行なわれました。発表会には、一年生、高校の先生方、本学担当教員、大学生、大学院生、教育研究員が参加し、積極的な質問が行われました。

       

水力エレキテル

担当者:常田琢准教授

高圧発電機を作って火花を飛ばしてみる。材料は水と金属缶だけ。異種の物質をこすり合わせると、一方から他方へ電子が移動する。静電気と呼ばれるこの現象には、冬場に悩まされることが多いはず。人体であれ無機物であれ、静電気がたまると、空気中で放電を起こせるくらいの高電圧(数kV)が発生する。 静電気発電の実験を通して、静電気現象や電磁気の法則についての理解を深める。

       

キノコを生やそう

担当者:菊地淳一准教授

植物でも動物でもない菌類がどのように成育し、繁殖しているかを知るために、スーパーなどで売られている食用キノコの栽培を実際に行い、キノコ(真菌類)の成育について学ぶ。秋には野外でのキノコの観察を通じて、キノコの生態系における役割について知る。

       

生物毒

担当者:森本弘一教授

植物が離れて生活している他種の生物に影響を与える現象はアレロパシー(allelopathy 他感作用)として知られている。例としては、ヨモギやセイタカアワダチソウの近くでは他の植物が育ちにくい、マツ林では細菌が少ない、といったものである。アレロパシーをおこす物質はテルペン類であり、フィトンチッドとも呼ばれている。フィトンチッドの作用を、大腸菌、ミドリムシ、メダカなどを使って調べていく。動くことが出来ない植物は、アルカロイド(alkaloid 植物塩基)を含んでいることがあり、毒性を示すことがある。身の回りの植物の毒性を調べることも行っていきたい。

       

ランダムウォークとハイパー群上の調和解析

担当者:河上哲 教授

ランダムウオーク (Random Walk) は日本語では、乱歩または酔歩と訳されており、そこでの中心テーマは、「家を出た酔っ払いは果たして無事に家に帰れるか?また、帰れるとしたら、その確率は?」となっています。この問題を正多角形や正多面体の辺上で考察し、近年、数理科学の分野で著しい進展をみせている新しい概念であるハイパー群の観点から、いろいろな方法による具体的な計算などを通して、ランダムウオークとハイパー群について体感する。

       

光の性質を調べよう

担当者:教育研究員、松山豊樹教授監修

私たちの身の回りは光で溢れている。この身近な光について調べる。高校では、光が波であり、回折や干渉、屈折を起こすことを学習する。プリズムを用いた実験を行い、光の分散や屈折率の定量的な測定を行って、光と色、また身の回りの現象を考察する。

       

パソコンの分解・組み立て

担当者:院生、学部生、松山豊樹教授監修

使ったことがある人は多いが、その中身を詳しく知る人はそれほど多くはない身近な道具、パソコン。カタログや店頭での売り文句を見ると必ず書いてある「CPU」「メモリ」などの文字列は一体性能にどう関わってくるのだろう?この講座では、普段あまり触ることの無いパソコンの中身について、実際にパソコンを分解・組立てる作業を通して、最先端の技術に触れていく。

       

身近な表計算ソフト「エクセル」を用いてシミュレーションしてみよう

担当者:院生、松山豊樹教授監修

表計算ソフトエクセルを用いて振動現象をシミュレートし実際に微分方程式を数値的に解く。そこから得られたデータ、数値から様々な観点からグラフを作り、考察することで振動現象の本質を探る。