オープン・サイエンス・ラボ

平成18年12月1日に理科2号棟2階にオープン・サイエンス・ラボを設置以来、実験機材を順次搬入し、教育研究員を中心に実験機器の保守・管理、実験メニューの開発や実験用マニュアルの作成を行ってきました。平成19年7月13日には開所式を行い、協力校への開放も開始しています。 ※平成22年に理科1号棟2階に移転しました。

    

      

 

所有実験装置リスト

1. デジタル分光計  光の分散・屈折の観察、プリズムの屈折率測定、波長の測定
2. マイケルソン干渉計  光の干渉縞の観察、レーザーの波長の測定
3. 光速度測定実験装置  フーコーとマイケルソンの回転ミラー法による光速の測定
4. 万有引力実験器  キャベンディッシュ実験に基づく万有引力定数の測定
5. 電子ビーム偏向管実験装置  陰極線の観察、電子の比電荷の測定
6. 静電現象実験装置  陰極線の観察、電子の比電荷の測定
7. 電磁現象実験器  変圧現象、トムソンリングの実験、電磁誘導現象
8. 力学滑走台  エアベアリングによる等速度運動の測定、慣性の法則、運動量保存の実験
9. カー効果実験装置  電磁場により物質の屈折率が変化する現象(カー効果)の実験
10. ファラデー効果実験装置  物質に磁場がかけることにより入射した直線偏光の偏光面が回転する現象(ファラデー効果)の実験
11. ホログラフィー実験装置  ホログラム(3次元写真)の原理を理解するための実験

デジタル分光計による実験

「光の分散」に関する実験です。太陽や蛍光灯からの光などは、通常さまざまな色の光が重なり合っています。光 の分散とは、重なり合っている光がプリズムを通過する際、その光を構成している赤、黄、青などの成分の光に分かれる現象です。この分散現象はそれぞれ光の色によって屈折率が異なることを表しています。自然における現象として は、空に架かる虹がこの分散現象によります。本実験ではこの光の分散を観察でき、また発展的な内容として分散された光の屈折率の値を測定できます。また、回折格子を用いれば、光の回折現象の観察や回折現象を利用して光の波長を計算できます。

   

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マイケルソンの干渉計による実験

「波の干渉」に関する実験です。干渉現象とは、2つの波が重なり合ったとき、お互いを打ち消したり、増幅したりする現象です。この干渉の効果により、下の写真のような干渉模様を作ることができます。道路の水たまりに浮いてい る油やシャボン玉などが色づいて見えることがありますが、それは太陽光の光がさまざまに干渉を起こしている状態です。本実験では、マイケルソンの手法に基づいて光の干渉を観察できます。また干渉条件の式より、光の波長を測定できます。光も干渉を示すことから、光の波動性について検証することができます。

   

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光の速度測定実験

「光の速さ」に関する実験です。光は1秒で約30万kmを覆うような速さであることが分かっています。これは発光の後、1秒間で地球を7周半回るというようなお話です。これでは発光と同時にその光を見ているという感覚も当然の様な気がします。しかし。ちょっと太陽を見てみてください。今私たちが見た太陽の姿は、太陽と地球との間を旅してきた、 約8分前の太陽の姿です。このような大きなスケールで見たとき、日常と異なる認識ができるのではないでしょうか。本実験では、フーコーの手法に基づき光の速度を測定します。これは高速回転ミラー法ともいわれ、高速回転する鏡に レーザー光を当て、反射光を回転する鏡に戻して、光源とのズレを測定して光速を算出する方法です。ものすごく速い光の速さも工夫により実際に測定することができます。

   

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キャベンディッシュの万有引力定数測定実験

「万有引力の法則」に関する実験です。万有引力の法則とは、すべての物体の間には引力が働き、その力は2つの物体の質量の積に比例し、距離の2乗に反比例するという法則です。私たちが宇宙に放り出されないのもこの力が働いているからであり、また、私たちの反対にいる人々は私たちと逆さまに地球にくっ付く有様です。本実験は、キャベンディッシュの手法に基づいて万有引力の法則における比例定数(万有引力定数)を求めます。精密な実験で、慎重さと根気強さが必要です。

   

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電子ビーム偏向管による実験

「電子」に関する実験です。電子ビームの実験は電子の存在を確認することになった実験でした。当時、放電管の空気を薄くしていくと、負極から正極に向かって得体の知れない何かが放射されることを観測しました。これは電気や磁石に反応し、負の電荷を持つ粒子が放射されている現象であることとわかりました。この粒子こそすべての原子を構成するものであり、電子と呼ばれるものだったのです。本実験では電子ビームが電場や磁場から力を受けることを観察でき、また電場や磁場を制御することにより、電子の質量と電荷の比を計算により求めることができます。

   

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静電気現象のいろいろ実験

「静電気」に関する様々な現象について実験を通して学びます。オープン・サイエンス・ラボには静電気を発生させる「バン・デ・グラーフ起電機」や発生した静電気を集める「ライデンびん」のほか、「はく検電器」などの実験器具を揃えています。これらの器具を用いて電気には正と負があるという基本的なことから、迫力のある放電現象や静電遮蔽(導体で囲まれた空間の中には電気が影響しないこと)など興味に応じて様々な実験を行うことができます。

   

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電磁現象の実験

「電磁現象」に関する実験です。主に電磁誘導を利用した実験を行います。私達の身近なもので電磁誘導を利用したものとして変圧器があります。変圧器とは交流の電圧を簡単に変化させることができる装置です。本実験では変圧器を実際に組み立て電圧の変化を確認でき,電磁誘導を利用したその原理を学ぶことができます。また、トムソンリングの実験は電磁誘導を応用した実験です。鉄の棒にまいたコイルに交流の電気を流すとN極とS極が瞬間的に入れ替わり続ける電磁石ができます。そのとき電磁誘導により鉄芯を囲むリングに、電磁石に反発する向きに磁界が 生じ、その反発によってリングが飛び上がることが確認できます。

   

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力学滑走台

「物体の運動」に関する実験です。本実験で用いるエアベアリング式力学滑走台は気体潤滑作用によって、運動体を無摩擦運動させることができます。実験では、運動体は無摩擦状態の水平面で同じ速度を保って運動し続ける 等速直線運動や,二つの運動体を用いて運動量保存の法則を導きだすことができます。運動体がエアーホッケーの ように滑らかに運動する様子は、普段あまり見ることは少ないです。摩擦がない場合に物体はどのように運動するか。より本質的に運動の法則を捉えることができます。

   

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カー効果実験装置

電場と透明物質の光学的性質の関係についての実験です。カー効果とは、カー(John Kerr)によって発見された現象で、透明な固体や液体に電場を加えたときに、電場の2乗に比例して屈折率が変化する現象です(屈折率の変化 が電場に比例する現象もあり、これはポッケルス効果と呼ばれます)。電場と物質を構成する極性分子の間に起こる効果が確かめられます。応用面としては、この効果はレーザー光の光変調や偏光素子など、光の制御に利用されています。本実験ではカー効果を観測します。透明な物質にはニトロベンゼン(C6H5NO2)を用いて実験し、入射光の屈折を観察することができます。

    

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ファラデー効果実験装置

磁場と透明物質の光学的性質の関係についての実験です。ファラデー効果とは、マイケル・ファラデーによって発見された現象で、磁場をかけたガラスに偏光された光を入射すると、磁場に比例して偏光の振動面が回転します。こ の効果により物質を構成する原子の電子が磁場の影響を受けることを確かめられます。応用面としては、光センサや磁気光学的記録の読み取りなど、光学機器における光の制御に利用されています。本実験では、磁場の強さと振動面の回転する角度の関係や、入射光の波長と回転する角度の関係を調べることができます。

   

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ホログラフィー実験装置

光その他の波動の干渉性を利用すると、物体からの反射光を感光材料に写すなどして、フィルムのような媒体にその物体の像を記録することができます。このように記録された媒体をホログラムといいます。このホログラムに別の 光を照らすと物体の像が再現されます。ホログラフィーとは、このように光の干渉性を利用した光学技術のことをいいます。ホログラフィーを利用すれば、物体の凹凸における光の位相の違いが反映されるので立体の写真をとることができます。本実験では、このホログラムを作成し、3次元の像を再現させる活動を通して光の干渉性について理解を 深めます。

   

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実験の補足マニュアルの作成

実験の参考資料として、教育研究員が実際に各実験を行って、得られた各実験のポイントや具体的な実験操作の写真などを記載した補足マニュアルを作成しました。実験者はもとの説明書に加え、この資料を活用することにより効果的に実験を行えます。